天空の楽園という言葉をご存じでしょうか?
『日本一の星空』と銘打たれた美しい夜空を堪能できるツアーが、長野の阿智村にある
そもそもコノ旅行は義母の『星をみたい』という発言からはじまったため
天候への依存性の高いこのイベントが、旅のメインであった
太平『しかし。雨が降ったら、どうするんだろうね?』
嫁ちゃん『降らせないで下さい』
太平『いやいや。そもそもどうやったら降らせられないようにするのか謎だし、論点は降ったらどうするか?だよ?』
嫁ちゃん『いいえ。降らせないで下さい』
こんな変てこりんな会話が存在する我が家
そしてメインイベント4日前の時点で、当日天気予報はバッチリ雨になった
嫁ちゃん『降らせないで下さいね!』
太平『は、はい。善処致します』
米子から長野の天気を『ハレルヤハレルヤ』と祈る
宿は昼神温泉『石苔亭いしだ』を取った
ロビーに大きな能舞台
我々の部屋付き係になってくれたのは、若く背の高い男の子
背筋がスッと伸びていて、受け答えが優しい
その昔。ずっと思いを寄せていた女性が
『男は背筋よ』と言ったものだから
少し海老反り気味に胸を張っていた高校時代
『彼女の背筋』が、体の姿勢だけでは無いなんて、露とも思わぬ青春時代
肝心なことは目に見えないと、星の王子さまが教えてくれていたけれど
それでも見本として彼を見せてくれていたら、もっと分かりやすかったのだろうな。と、理想的な背中に柔らかく導かれてく石苔亭の昼下がり
お部屋
全てのお部屋の名前は『狂言』の演題から取られているそうな
お話の筋は
『蝸牛』を探してこいとご主人に言われた主人公
『カタツムリ』を知らない主人公に主人は『頭が黒く、腰に貝をつけ、角を出す』と説明。
主人公は山伏を『カタツムリ』と勘違いして連れてきちゃうというもの
いやー狂ってる。さすが狂言
36歳、耳鼻科専門医に相応しい素敵なお部屋でございました
ちなみに義両親の部屋は『三本柱』でございます
うーん、トリニティ
夜。舞台で狂言をみてから『日本一の星空』へ旅立つ
宿の人達が、寝転がるためのマットと、防寒用毛布、それにカイロを渡してくれる
『寒いですので、防寒をしっかりしてくださいね。どうやら晴れたようですよ、お気をつけて』
ホスピタリティが凄い
外に出る。息が白い。雲は無い
嫌な予感を東の空に感じたけれど、みてみぬ振りで山に向かう
スタービレッジ阿智
5000円で星見の区画を借りる
朝6:00頃まで自由に過ごして良いという、風よけされた正方形の小区画
椅子が2つにテーブル1つ
嫁ちゃん『寒いですね』
太平『そだね』
嫁ちゃん『朝6時までいて良いんですね。タップリ楽しめますね』
太平『いや、君は、30分で飽きると思うよ』
義父・義母・嫁ちゃん『いやいや。30分て』
太平『いいえ、多分。本当に30分です』
気持ち良く晴れた空
絶好のコンディションで、客は無し。貸し切り状態
男達は椅子。机にはビールとツマミ
女性陣は寝転がる
気持ち良く晴れた空
満天の星空がそこにある
しかし頑とした存在感を放つ満月もそこにある
星はカシオペアとかオリオンが辛うじてみえる程度
我々は『きっとそこにある満天の星空』を、血眼で透視する
『もう。わざわざ、ここまで来たのだから、何か美しいモノをみないことにはやりきれない』
4人の心はピッタリ一致していたと思う
満月のおかげで、我々は、初めて無言の団結を成し遂げることに成功した
見える場所で、見えない条件で、見えてないモノを透視する
『いったい、我々は、何をやっているんだ?』
全員が、頭の片隅でそう思っていたけれど。けっして口には出せない、昼神温泉の夜
30分
嫁ちゃん『…地元の方が見えますね』
一同爆笑
そこからは、お月見になりましたとさ☆
昼神温泉。ハレルヤ
『心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなものは、目には見えないんだよ』
~サンテグジュペリ~
『ぼくはあの星のなかの1つに住むんだ。その1つの星の中で笑うんだ。だから、君が夜、空を眺めたら。星がみんな笑っているように見えるだろう』
~サンテグジュペリ~
『人間はね急行列車で走り回っているけれど。何を探しているか自分でも分かっていない』
~サンテグジュペリ~
『救いは一歩踏み出すことだ。さてもう一歩。そしてこの同じ一歩をくり返すのだ』
~サンテグジュペリ~
『努めなければならないのは、自分を完成させることだ』
~サンテグジュペリ~
コメント