遅めの夏休み

『今年は国内にしよう』ということだけを決め、嫁ちゃんと日程を合わせていた

のんびりのんびり旅をしよう、そんな思いからずっと漠然とさせていたのだけれど

空き予定は、次々に埋め込まれ。想像よりずっと密になってしまったけれど、充実した旅になった

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そんな旅の始まりは実家

嵐を呼ぶ主婦『タエコさん』とのイザコザからスタートする

それは私の『人生そのもの』のような気がする


彼女の中で生を受け、光を浴びる。人生という旅の瞬間から

彼女は私を素敵な『イザコザ』の世界へいざなってくれた


『タエコさん』と共に過ごす時間は、インド生活よりもスパイシー

大人になって、辛いモノは平気になったし、涼しい顔で食べることだってできる


ただ『タエコさん』はソレを爽やかな笑顔で食べられるコトが嫌いなのだ

息子達が悲鳴をあげるまで『珍妙な激辛スパイス』をぶち込んでくる


つい先日も、私の兄(通称ゲーハー)が激辛スパイスに不意をつかれ叫び声をあげたらしい

40台も半ばになって情けないことだ』と鼻で嗤う


かくいう私が最後に怒鳴ってしまったのは4年前

インドに行く直前、私の部屋を掃除に来たときであった


太平『いいかい?掃除をしに来てくれたのはありがたい。感謝している。だけどね、ココとコノ棚だけは、絶対に触ってはいけないよ

タエコさん『うんうん。分かった、大丈夫、触らないね』

太平『うん。ココにはね、大事な手紙とか、読まれて欲しくないモノがいっぱいあるんだ。とにかく触ってはいけないよ』

タエコさん『うんうん、分かった大丈夫。お母さんは人の手紙を読んだりとか、そういう下品なことは嫌いなの。大丈夫よ』



そんなやりとりをして、私は仕事に向かった

もちろん母親が絶対に手紙を読むことは分かりきっていたし、ソレはソレで今さらどうしようもない。3つ子の魂はずっと続くのだ。


彼女が『下品なことは嫌い』と自分で言う内容は『やりたくてたまらない』コトなのである



15歳の正月、父・兄と3人麻雀を楽しんでいた折、彼女は私の寝室からエロ本を拾い集め、卓上にぶちまけ言った

『もっと上手に隠しなさい、ベッドの下?このドスケベ』

父と兄はそれぞれ無言で宙を見つめる

グレなかった15の自分を思いっきり抱きしめてあげたい


女の子から電話が掛かってくれば、子機で『盗聴』


PCのメールを勝手に読むは、財布を勝手に開けるし、カバンの中を調べる



それらのことは『下品で大嫌いなこと』だと彼女は言う

そして必ずやってのける
 

つまり彼女は『下品で大嫌いなコトのプロ』なのである



そして必ず、整合性を完全に無視した『頭を腐らせる恐ろしい嘘』をつく



その日

仕事が終わり家に帰ると、ビックリするほどピカピカになっていた

食事も用意されている

ありがたいことだ、食卓につく
 

太平『美味しいよありがとう』

タエコさん『そう?良かった。ところでね

太平『ん?』

タエコさん『あのね、あんたが掃除しないでくれって言った棚があったじゃない?』

太平『うん』

タエコさん『あんまり散らかってるもんだから、お母さん掃除しちゃったのよ』

太平『うん(まあ、あなたはそういう人だから驚かないよ)』

タエコさん『そしたら手紙があったの』

太平『うん、だから触らないでって言ったんだよ

タエコさん『そうよね。お母さん、人の手紙見るような人ってすごく嫌だと思うの』

太平『うん、でも読んじゃったんでしょ?』

タエコさん『お母さんを見くびらないで!!!読むわけないでしょ!!!』

太平『ああ、そうか。そうだね、ゴメンね』

タエコさん『…でね、封をあけて、ちょっと中をみちゃったのよ

太平『うん(本当に頭が腐りそうだ)』 

タエコさん『でね、○○▲▲って文章があったんだけど、アレはどういう意味なの?


太平『質問はすんなやぁ!!!! 手紙読むところまでは、もう100歩譲ってしょうが無い思ってるけど、胸にしまっておけやぁ!!! 質問はすんなやぁ!!!! しかもソレは俺が貰った手紙じゃあ!!! 質問あるなら書いてる本人に聞けやぁ!!!!


タエコさんは『あらぁ、大きい声もでるのねー☆』と笑う。彼女は良くも悪くもそういう人なのである



てなわけで、この旅も彼女の『下品で大嫌いなコト』を全身で浴び、『頭を腐らせる系の嘘』をたらふくご馳走になってから始まった


本年度最強の発言は『お母さんは人が嫌がるコトを言ったことありません』

うーんお見事、惚れ惚れする。長生きしろ



結局

自分の両親に会い

自分の父の母に会い

親友のご両親と酒を飲み

義理の両親と旅行に行き

親戚の母子と旅行する

そんな旅になった


誰しも親がいて

必ず年をとり

どこかのタイミングでお別れがくる

お別れは必ずしも年齢順じゃ無くて

どちらかが欠ければ、それはお別れになってしまう


『残る方、逝く方、片方が残っていればお別れじゃないよ

だって記憶の中に生きているのだもの』


そんな慰め方もあるけれど

お別れはお別れなのだと思う



『生きてて良かった』

そんな風に心の底から思える出来事のときは

自分だけが『生きてて良かった』のではなく

その状況を共有しているお互いが『生きてて良かった』なのだなと

そんなことを感じる旅だった

1人旅が好きだけど、誰かと一緒に行く旅も良い
しばらくは旅日記
ご無沙汰しています
僕は元気です 





『親思う心をまさる親心 今日のおとずれ何ときくらむ』

~吉田松陰~




『ひとつも馬鹿なコトをせずに生きている人間は、彼が自分で考えているほど賢明ではない』

~ラ・ロシュフーコー~




『ひとつの欠点も見せない人間は馬鹿が偽善者である』

~ジュベール~




『自分に理解力が足りないことを苦痛に感じるためには、すでに相当の理解力がなければならない。馬鹿ほどうぬぼれが強いものはない』

~ジード~




『自然は神の生きた服装である』

~カーライル~

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