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バラナシが好きだ。

バラナシはガンジス川の川沿いにある街で、火葬場がとても有名。

ヒンドゥ教徒にとっては、特別な意味を持つ街である。

 

というのはヒンドゥ教の3大神の1柱。シヴァに寵愛された土地であり、バラナシ・ガンジス川の河畔で亡くなれば、生前どんな行いをしていたとしても全てが赦され、輪廻の輪から外れることができるのだそう。

 
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ガートと呼ばれる、川沿いに作られた傾斜した階段状の沐浴場。人々はお祈りをし、体を洗い、服や食器を洗い、遺灰を流す。

つまり水に関わる、人間の営みは全てそこで行われる。

ガンジス川で『コレはしてはいけない』というルールは聞いたことが無い。

 
 

沐浴するな!』とは言われるが、これは免疫を持っていない人が入ると『とんでもない病気』になる恐れがあるからである。
 

これは気遣いであり、川やヒンドゥ教側からのルールとは違う様子。
 

 

死期を悟った人が、ガンジス川に集まり、死を待つ。

ガートでは一日中、人を焼く煙が上がる。

人を焼くための薪は高い。お金が無い人は、そのまま川に流される。

 

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私はガンジス川が好きだ。

 

ガートは川沿いに6kmほど続く。

ガート伝いに、目的も無く歩くのが好きだ。
 

火葬しているガート。結婚式をしているガート。
 

わらわらと寄ってきて差し出すのは、灯籠流しのような『アルミの皿に乗った、花と蝋燭』 買ってくれとせびる子供達。
 

『マリファナやコカインはいらないか?』怪しく囁くインド人達。
 

日陰でジッと何かを待っている修行者達。
 

素っ裸でガンジス川に飛び込み、水浴びを愉しむ若者達。
 

無数に落ちている、犬や牛のウンコ達。
 

警戒しながら歩く旅行者達。
 

街に沈没し、ぼろぼろの服装でリラックスしている旅行者達。
 

そんな街が当たり前の土着民達。

 

ときどき立ち止まり。腰をかけて、タバコを吸いながら眺める『そんな景色』が好きだ。

 
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バラナシで見る、朝日が好きだ。

同じ太陽なのにどうして見る場所によって、こんなに違うのだろう。

日中の喧噪とのコントラストなのか、ちょっとヒンヤリした薄明時、思ったよりずっと早く上がるお日様を見守っていると、寂しさと切なさが混じり合う。

 

太陽がなければ、私達は生きていくことができない。

そんな当たり前のことに、胸がいっぱいになる。

 

太陽にも寿命があって、やがて死にゆく。

いかに『永遠に続くもの』に憧れても、人間も必ず滅びる。

そんな当たり前のことに、少しホッとする。

 

 

お兄ちゃん!ボート!ボートで朝日!

切ない気分をぶちこわす、流暢に日本語を操るインド商人は別に好きでは無い

 
 

私は無宗教だけど、そっと手を合わせる。

すると喧しい営業活動を止め、私のお祈りをジッと待つ。そんなインド商人がやっぱり好きだ

 
 

お祈りが終わると『ボートボート!』が再開。

ボートで見る朝日も良い。
 

無事に岸に帰して貰えるのだろうか? 
そんな不安な気持ちを、不安定な舟の上で転がすのも良い。

 

 

そんなガンジス川に、去年は2回行った。

1回目は3月に、2回目は9月に。

9月はモンスーンの影響で水位が高く、ガート沿いに歩けなかった。

 
 

3回目のバラナシは、水位が低いうちに行きたい。

機を伺っているうちに、雨の時期がきてしまった。

 

大雨が降る度に、水位があがっちゃうなぁと『バラナシへの想い』を募らせていた。

 

 
 

場面は変わって、今日のオフィス。

チャイ君とコーヒーを飲みながら雑談をする。

※  チャイ君:同じチームのインド人男性。マルチに能力が高い

 



このニュースについて聞いてみる。

15人がパキスタンの勝利を祝って逮捕』

先週日曜日のクリケット世界戦で、インド人がパキスタンの勝利を祝って逮捕されたという記事

 
 

Taihei『おいおい、お前の国は。スポーツで他の国を応援したら逮捕されるのか?』
 

チャイ君『話はそんな単純なものじゃないよ。その15人はパキスタンのテロ組織に情報提供したり、インド潰しをしようとした事が背景にあるんだ』
 

Taihei『この日本のニュースでは、そんなことは書かれていなかったよ』
 

チャイ君『マスコミはどこの国でも一緒だね。事実を伝えるより、面白おかしく書いた方が売れるんだもの』



チャイ君の言うことが本当だとしたら、このニュースの書き方は残念である。
まるでインドにいたら、他の国を応援しちゃいけないようなニュアンスがあって。『インドって変な国でしょ?』的な臭いを出している。
いや、勿論。『日本の当たり前』から見れば、ここは変な国なんだが。『ちゃんと変なところ』を、しっかりフォーカス合わせて『変だぞ!』って書いて欲しい。
私は『ちゃんと変で、味わい深いインド』が好きなんだ。 

 

 

Taihei『ところでバラナシに行きたいのだけど、テロは危ないのかな?』
 

チャイ君『なに言ってんだ。インドの中では、俺たちが住んでいるデリーが一番危ないに決まってんだろ(笑)』

 

チャイ君『それに、テロなんて気をつけようがないもの。さすがに今月中はデリーの繁華街は行かない方がいいのかも知れないけど。んなことより交通事故に気をつけた方がよっぽど命を大事にしてるよ
 

 

そりゃそうだな。

 

 

うん、いっちゃうかぁ!!
 

 

ってな訳で。サクサクッと航空券とホテルを予約!

水位が上がる前に出発しちゃいます♪

 

週末!バラナシ行くわよ♪

 

 

 

 

 

 

『私達は死の心配により生を乱し、生の心配により死を乱している』

〜モンテーニュ〜

 

 

 

 

 
 

 

『人はいつだって、色んなものにさよならを言わなければならない』

〜ピーター・ビーグル〜

 
 

 

 

 

 

『死は最初からそこにいる』

〜ヘルマン・ファイヒル〜

 

 

 

 
 

 

 

『死と太陽は直視することは不可能である』

〜ラ・ロシュフーコー〜

 

 

 

 

 

 

『旅にはたった一つしか無い。自分自身の中へ行くことだけである』

〜リルケ〜



 
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